
ロードバイクで走るコースは平坦だけではなく、時には峠を登るヒルクライムに挑戦することもあります。
ママチャリやシティーサイクルと比べれば圧倒的に軽いロードバイクでも登りはやっぱり辛いものです。
今回はロードバイク初心者の方に向けたヒルクライムを楽にするためのお薦めカスタマイズをご紹介します。
目次
ヒルクライムとは



ヒルクライム(hill climb)とは、自転車で山や峠などの坂道を上ることを指し、またその競技を指す言葉です。ヒルクライムは頂上まで登ったことによる達成感や山間の景色や四季折々の自然の変化などを楽しむことができます。
また競技志向の方であればタイムの更新に挑戦したり、ヒルクライムレースならばロードレースやエンデューロなどと比較すると初心者でも参加しやすく、マラソン大会の様に自身の目標達成に向けて継続的に楽しめます。
近隣の人気ヒルクライムコース
宮ケ瀬湖(愛甲郡清川村)


難易度:★★★☆☆
距離:37.7km
獲得標高:602m
神奈川県内で初心者にお薦めできる峠と言えば、厚木・伊勢原方面から宮ケ瀬湖に向かって登る「土山峠」があります。土山峠は勾配が平均で6~7%に距離が1.3㎞程度なので、まだ峠に挑戦したことがない方は是非行ってみてください。
宮ヶ瀬湖畔エリアにはレストランやお土産が買える商店街があります。また宮ケ瀬湖に沿って北東側に進めば、宮ケ瀬ダムや相模原方面に下るとサイクリストに人気なオギノパンがあります。
コースデータとお薦めポイントが分かる詳細記事はこちらから↓

ヤビツ峠(秦野市)


難易度:★★★★☆
距離:36.1km
獲得標高:1042m
神奈川県におけるヒルクライマーの聖地といえばヤビツ峠が有名で、県外から訪れる方も多い峠です。
ヤビツ峠は246号線から頂上まで距離11.5㎞に平均勾配5.5%、獲得標高643mと本格的な峠道になっており、登りが速い人であればStravaにあるセグメント「ヤビツ峠 コンビニスタート」を30分以内に走破します。またこのセグメントを1時間以内に登れれば脱ビギナーと言えるでしょう。
3分の2程度登ったところに菜の花台展望台があり、秦野・大磯方面を一望することができます。
頂上には「ヤビツ峠」看板があり、登り終えた多くのサイクリストがバイクと一緒に記念撮影をしています。
そこから北上すれば裏ヤビツを通り宮ケ瀬湖方面に抜けることが出来ます。
コースデータとお薦めポイントが分かる詳細記事はこちらから↓

椿ライン(神奈川県足柄下郡)


難易度:★★★★★
距離:80.7km
獲得標高:1613m
STAR☆BIKESから134号線に出て海岸線沿いを進み小田原に着いたら、135号線を通って湯河原に向かいます。
湯河原から西に向かって登り、椿ラインに入ります。
椿ラインは距離約16㎞、獲得標高875mある神奈川県でもトップレベルのヒルクライムコースです。
頂上にある大観山展望台から見る芦ノ湖と富士山は代表的な絶景スポットです。
帰りは芦ノ湖に下り箱根旧道を通ると小田原までスムーズに帰れます。
コースデータとお薦めポイントが分かる詳細記事はこちらから↓

おすすめカスタマイズ
ビンディングペダル+ビンディングシューズ


これまで踏んで漕ぐフラットペダルをお使いならば、専用のシューズとペダルが合体することで踏んでも引いても漕ぐことができるビンディングペダルに変えてみましょう。
ヒルクライムは長時間登り続けるため、フラットペダルで踏み続けると持続力はないがパワーのある筋肉(速筋)を主に使い途中で力尽きてしまうことがあります。ビンディングペダルであればパワーは弱いが持続力のある筋肉(遅筋)を効率的に使え、鍛えていくことで長時間の登りでも最後まで安定して漕ぎ続けることができます。

ギア比の変更


ビンディングペダルに変えたけどやっぱり登りがきつくて途中で足が着いてしまった…それはご自身のバイクに付いてるコンポーネントのギア比が合っていないからかもしれません。
ヒルクライムでは長時間登る際に筋肉の負担を軽くするために高ケイデンスで回し続けることが重要です。
ただし重いギア構成であればケイデンスを上げることができず、だんだんペダルが重くなり途中で力尽きてしまいます。自身の筋力に応じたギア構成に交換することで最後まで足を回して登ることができます。
ケイデンスについては以下の記事にて↓

ギア比については以下の記事にて↓

ポジションの見直し(フィッティング)

ビンディングペダルに変えたし、ギア比も見直して軽いギアで足が回せる、それでも登りがきつい場合はポジションの見直しが有効かもしれません。ロードバイクはペダルを踏む際に脚の力だけではなく身体全体を使っています。
そのため、バイクのポジション(ペダル・サドル・ハンドルの位置関係)がその人にとって自然な位置でなければ身体全体を使ったペダリングはできません。
STAR☆BIKESでは一人ひとりに合わせたポジションを見直すAIフィッティングサービスを行っています。

バイクの軽量化

ヒルクライムと言えば軽量化のイメージが強いと思われますが、今回ご紹介した「ロードバイク初心者の方に向けたヒルクライムを楽にするためのお薦めカスタマイズ」の中では優先順位は低いです。
軽量化は競技志向やタイムを縮めるなら有効ですが、かかる費用も大きいため上記の「ビンディングペダル・ギア構成・ポジション」の3点が揃い、それでも更に楽に登れるようになりたい場合は下記パーツのアップグレードがお薦めです。
タイヤ&チューブ


タイヤとチューブは完成車に付属しているものが耐久性重視やエントリーグレードの場合、アップグレードすることで半分以下の重量まで軽くできます。また自転車の軽量化パーツとしては価格も抑えられているため、最初の軽量化候補としてお薦めです。



ホイール


ホイールは自転車において完成車・フレームセットに次ぐ高額なアイテムです。しかし、地面に最も近く走りの質そのものに影響しているパーツでもあるため、アップグレードすることでバイクの性能を大幅に上げることができます。
完成車に付属しているものがアルミのホイールであればカーボン製の軽量ホイールに交換することで最も大きな軽量化になります。

ロードバイクを始めたばかりで登りが辛いと感じた方は是非参考にしてみてください。