
スタッフの瀬谷です。SRAMのロード用フラッグシップコンポーネント RED が5年ぶりにフルモデルチェンジしました。発表に合わせて国内でSRAMコンポーネントを取り扱う㈱メニーズ様が製品説明会が開催しました。
その際、私が実際に新型SRAM RED AXS E1に触れ、気になったポイントを紹介したいと思います。
目次
SRAM RED AXSはD1→E1へ

アメリカのSRAMが無線電動コンポーネントを初めて発表したのがまだ11速の仕様だった2015年、そこから4年後に12速コンポーネントに進化し、SRAMの新しい電動コンポーネントの統合システムとしてAXSの名前が加わりAXSシリーズの総称は「D1」と名付けられました。
そして2024年、過去4年間にわたる開発の集大成として待望のフルモデルチェンジが発表され、SRAM RED AXSは史上最軽量のグループセット、指一本で楽に操作できるブレーキング性能にアップデートされ総称は新たに「E1」と名付けられました。

各コンポーネントに関する基本的な情報や価格はメニーズ様のサイトにてご確認ください。
スタッフの気になったポイントをご紹介

改めてスタッフ瀬谷による新型SRAM RED AXSの展示および説明会で気になったポイントをここからは紹介していきます。
レバー形状

今までSRAMよりもSHIMANOを好んで使っていた方の多くはレバー、持ち手の大きさがネックになっていたのではないでしょうか。


今回E1にモデルチェンジされブラケットとレバーの構造が大幅に見直され、ピストン位置の変更等によりコンパクトなデザインとなりました。


D1の頃はレバーを握りこもうとすると3本の指しか入らかった隙間が、新型のE1では4本指を入れても余裕があります。そのためレバーを通常の握り方でも力が入り、トルクがかけやすくなりました。
懐が広くなった分リーチがおよそ5~7mmほど長くなったので、ステムやハンドルのリーチと併せてポジションを決める際は注意が必要です。
またD1レバーの引きの重さに対しフードの持ち方で80%、ドロップ(下ハンドル)の持ち方で33%もレバーを引く際の力を軽くすることができました。
その結果、人差し指のみのワンフィンガーブレーキでも充分な制動力が得られるとのことです。
MTBでは当たり前のワンフィンガーコントロールがロードバイクでも出来るようになるというのはさすがSRAMといった感じですね。
動画では実際にブレーキを引いた様子が映っていますが、いままでのSRAMだとブレーキパッドがローターに接触した際のタッチ感がムギュっとした感じだったのが、カッチリ感のあるタッチに変わりました。これはシマノのタッチ感に似ています。
ちなみに動画を観るとレバーの初期位置が遠かったり、レバー引き量が浅く見えます。
握り込み部分の懐が大きい=ブレーキレバーに指をかけにくいのでは…と思われるかもしれませんが、SRAMはこのRED AXS E1に限り2.5mmのアーレンキーさえあれば簡単にコンタクト初期位置を調整することができ、手の小さな方でも安心してレバーに指をかけることができます。またレバー引き量も今までと同様にコンタクトインアジャスト機能で調整が可能です。
この調整機能はシマノの油圧レバーと比較しても調整幅が大きく、手の大きな方から小さい方まで十分に対応できると感じました。個人的にはSRAMはコンタクトインアジャスト機能(レバーの引き量調整)が非常に優れているのでお薦めです。
ちなみに新型E1と旧型のD1や現行のFORCE/RIVALグレードは互換性があるため、レバーとブレーキキャリパーだけ新型のREDに変えるなんてことも良いですね。
ボーナスボタンとHammerhead Karooサイクルコンピュータ


シマノのDura-AceやULTEGRAには付いていた隠しスイッチ、SRAMでは新型REDのレバーにのみ「ボーナスボタン」(画像赤丸部分)という名称で新たに搭載されました。
このボーナスボタンはこのSRAM RED AXS E1と一緒に設計されたアンドロイドベースのサイクルコンピュータ「Hammerhead Karoo」の簡易操作だけでなく、シフト操作の割り当ても可能です。
ボーナスボタンは長押しや短いプッシュでの操作割り当てもできるとのことで操作の幅が広がりますね。
ちなみにこのボーナスボタンはANT+のサイクルコンピュータが接続可能です。
私は普段GARMINのEDGEシリーズとシマノDi2を組み合わせて使っているのですが、SRAMのボーナスボタンでEDGEを操作できるかどうかに関してはANT+電動シフト対応とあるのでEDGE側のアップデートで今後使えるようになると予測されます。




Hammerhead Karooがあれば、従来の「SRAM AXS」アプリを通さずに各コンポーネントへのペアリングやセットアップができます。
システムはアンドロイドなので、サイクリングコンピュータというよりは小型なスマホのイメージです。
話を聞くと海外ではこのKarooでYoutubeを観れるようにした人もいるとか。

今回発表と同時にRed AXS HRD Group Set 2X with Hammerhead karooというこのHammerhead karooサイクルコンピュータがセットになったグループセットが国内限定75セットで販売されています。
値段で言えば、バラで揃えるよりもお得でこのkarooがほぼ無料で付いてくるような価格設定との事。
今フレームを既に持っていて、新型SRAM RED AXSに乗り換えたいという方にはお買い得ですね。
ちなみにこちらのグループセットにはクランクとカセットは含まれていないので別途用意が必要です。
トリム機能が追加されたフロントディレイラー

シマノではお馴染み電動変速による自動トリム調整機能が追加されました。
その理由はFDのケージ幅が狭くしたためです。
狭いケージ幅によりより少ない移動量で正確なシフティング操作ができるようになったとのことです。
トリムの動きを撮影してきました。
動画では最初リアがロー側に入っている状態でフロント変速を行っており、その後リアをトップ側に動かしたうえでトリムの動きを撮影しています。現行のシマノ12速Di2とかなり似た動き方に見えますね。
ちなみにこのトリムですがアウター時のみ動作します。インナーの際はチェーンがケージと干渉しないためトリムはありません。
ブレーキキャリパー



ブレーキキャリパーは肉抜きされたデザインが目立ちますが、ポイントは旧型のD1と比べわずかに大きくなっています。その利点としてピストンの位置がブレーキローターの端側に移動し、制動力を上昇させたことになります。
イメージで言えばMTBだとブレーキローターは大きければ大きいほど制動力が強くなりますが、それをローターサイズを変えずに行っている感じですね。
キャリパー本体は大きくなっていますがパッド間のクリアランスに関しては変わっていないと聞きました。
RDとカセットの関係


E1ではカセットスプロケットのラインナップが10-28T、10-30T、10-33T、10-36Tの4種類に増えました。
従来のD1であれば、カセットの最大歯数に応じてリアディレイラーも幾つか種類が出ており組み合わせに決まりがありました。
しかし、今回はREDのリアディレイラーでも最大歯数36Tに対応しているため、どのカセットスプロケットを選んでもリアディレイラーは同じものが使えます。
SRAM特有のパーツの組み合わせがややこしくてどれを選べば良いのか分かりにくい問題が解消されましたね。

またリアディレイラーのプーリーにはセラミックベアリングを搭載した大径プーリーを装備しているので、チェーンの駆動抵抗も減っています。
クランク


クランクアームには小柄な方にも対応できるよう160mmが追加されました。
SHIMANOのアウター/インナーチェーンリング別々の構造に対し、SRAMの一体型チェーンリングのメリットは軽量さと剛性を兼ね備えた点にあります。
史上最軽量の電動変速コンポーネント

旧型のRED AXS D1と比較し、E1ではトータルで約153gの軽量化となりました。
中でもシフター/ブレーキキャリパーの軽量化が群を抜いています。
ちなみにクランクセットは29gの軽量化となっていますが、ライバルとなるSHIMANO Dura-AceのFC-R9200-P(50-34T)が平均重量745gなのでSRAM REDクランクであれば約200gも軽いことが分かります。
ご注文受付中

STAR☆BIKESでは新型SRAM RED AXSコンポーネントのご注文を受け付けております。
パーツの組み合わせ等、お気軽にご相談ください。
この記事を書いたのは…

STAR☆BIKES 瀬谷祐介(メカニック/ライドイベントアテンドスタッフ)
自転車業界に勤めて7年目、普段はロードバイクでのロングライドや県内の未走行のコースを探索し、STAR☆BIKESのコース紹介記事も書いている。ヒルクライムが好きでMt.富士ヒルクライムにも毎年出ているが、登りはけっして速くない。夏場にはMTBでふじてんに行きパークライドも楽しむ。
これまで50台近いバイクに乗り換えており、バイクの特徴を掴んでお客様の希望に合わせた1台を提案することに長けている。
