
ロードバイクに乗り始める際に今までの自転車と大きく異なるのが曲がったハンドル「ドロップハンドル」になります。ご納車時にお店で教わっていれば問題ありませんが、通販や説明なしで車体を手に入れた方は間違っている方もちらほら…。
ここではドロップハンドルの握り方についてご説明させていただきます。
目次
今さら聞けないブラケットって?

自転車屋でハンドルの握り方を説明する時に使われる「ブラケット」という言葉。ロードバイクにおいてはシフトブレーキレバーの取付金具や、その位置を指します。ロードバイクの基本姿勢を取る際に握るハンドルポジションで、シフトチェンジやブレーキングがしやすい位置(赤丸部分)です。
また別の言い方として「STIレバー」が使われることもあります。正式名称はSTI(シマノ・トータル・インテグレーション)レバーと言い、シマノが開発したロードバイク用のブレーキレバーと変速レバーを一体化したデュアルコントロールレバーの事を指します。
ドロップハンドルの握り方
①基本の握り方

ドロップハンドルの最も基本的な握り方は、ブラケットを手で握り込む際に人差し指と中指をブレーキレバーに添える握り方です。乗車時の大半がこの握り方になります。
2本の指が常にブレーキレバーにかかっており走行時の速度調整・ブレーキコントロールができ、残り3本の指がブラケットをしっかり握り込むこむ事で強い衝撃を受けた際にハンドルから手が離れるトラブルを防ぎます。
4本指でのブレーキ

しっかり止まる際に2本の指だけでは辛い場合には4本指をかけて止まることも可能です。
ただしこの握り方は常時しないようにしてください。咄嗟の急ブレーキで制動力が強すぎてホイールがロックし、車体がひっくり返って転ぶ可能性があります。またハンドルをしっかり握りこめていないため、路面の凹凸や何かにぶつかった際にはハンドルから手が離れる危険があります。
②上ハンドル(フラットバーポジション)

上ハンドルポジションはクロスバイクやマウンテンバイクと同じハンドルの真っすぐな部分を握るポジションの事です。主に基本の握り方を長時間して腰回りが疲れた時に上ハンドルを握り、背筋を伸ばしてリフレッシュする際に使います。
ただし上ハンドルを掴んでいる間はブレーキも変速も行えないため、見通しの良い安全な場所・タイミングで使うようにしましょう。
③下ハンドル

下ハンドルブレーキは写真のようにハンドル下側をもって人差し指の第一関節をブレーキレバーにかける握り方です。
この握り方は主に急勾配の下り坂や峠からの長い下り坂を走り際に握力を使わなくとも軽い力で長時間ブレーキをかける際に使用します。
下ハンドルを握った際にブレーキレバーに人差し指の第一関節がかからない(届かない)場合にはレバーの初期位置のセッティングが合っていない可能性があります。車体を購入した店舗かお近くのスポーツバイクショップで確認してもらいましょう。

またプロ選手のように下ハンドルを握った深い前傾姿勢で走るスプリント時にも使います。
ただし、速度を出して走る際には周りの環境に注意し安全な状況で使いましょう。
オマケ:ブラケット先端部を掴む握り方

下ハンドルを握るのと同じくらい深い前傾姿勢をとり、空力効果を良くする握り方がブラケット先端部を掴む方法です。小指や薬指をブレーキレバーにかけることができるため、軽いブレーキ操作も可能です。
下ハンドルと比べてほんのわずかな動作で深い前傾姿勢をとれますが、ダンシングを使ったスプリントには向いていないためシッティングでの高速走行に適しています。
このブラケット先端部を掴む握り方はシマノ12速Di2のレバー形状が握りやすく設計されています↓



参考:各握り方での姿勢の違い




各握り方による姿勢の違い(背中角度の違い)を見てみましょう。
①基本の握り方に対し②上ハンドルでは腰の部分が起き上っているのが分かります。ずっと前傾姿勢を保持していると上半身を支えている体幹や腕まわりに負担がかかるため、リラックスするために腰を起こしてあげる必要があります。
ただしペダルに体重をかけにくくなり、身体に受ける風の抵抗増えるため一時的なリフレッシュとして使うのが良いでしょう。
空気抵抗を減らす目的で握る下ハンドルポジションですが、背中の角度を見るとブラケット先端部を掴む握り方と変わっていないことが分かります。下りでのブレーキやスプリントも混ぜるなら下ハンドルを、シッティングでの高速巡行を行うのならばブラケット先端部を掴む握り方を使いましょう。
走行中に無意識にここを握っている人は…

基本の握り方で走っているのに無意識にブラケットよりも手前、バーテープ部分に手を置いて走っている方は注意が必要です。気付かない内にこのハンドルの角の位置、バーテープの上を掴んで走っている方は基本の握り方での前傾姿勢がきつく上半身を起こすために手前部分を掴んで走っているからです。
当然この部分を掴んでいては何か起きた時に咄嗟にブレーキ操作を行うことが出来ません。
またハンドルをしっかり握りこめないので、強い衝撃を受けた際にハンドルから手が離れて落車に繋がる危険もあります。
解決方法は正しいポジションで乗ることです。
サドルからハンドルまでの距離がその人にとって正しければ、基本の握り方の前傾姿勢できつくなることはありません。ただしハンドルが遠いからといってステムやハンドルのリーチを短くするだけでは正しいポジションになるとはいえません。サドル・ハンドルの位置関係が合わさってその人にとって最も自然なポジションとなるからです。
正しいポジション探しにはフィッティングサービスをご利用ください↓

以上、ロードバイクのハンドルの握り方に関してでした。
是非参考にしてみてください。