
ロードバイクやクロスバイクといったスポーツバイクを始めた方の目的の一つにダイエットがあります。
しかし、自転車はただ乗るだけではダイエットになるほどの強度が得られなかったり、ダイエットを越えて筋トレになってしまい効率的なトレーニング効果が得られない場合があります。
そこで重要なのが心拍数をベースにしたトレーニング方法です。
心拍数はトレーニングの効果やパフォーマンス向上にも大きく関与しています。しっかりとしたトレーニングプランを立て、心拍数を意識しながら乗ることで、より効果的なトレーニングが可能になります。
ここではサイクリングにおける心拍数の考え方をご紹介します。
目次
まず心拍数を見るために

サイクリングをする上で心拍数を見るためには心拍機能に対応したサイクルコンピューターとハートレートモニター(心拍計)が必要になります。

ハートレートモニター(心拍計)は一般的に時計タイプと胸バンドタイプがありますが、自転車の場合は胸バンドタイプを主に使います。

5つの心拍ゾーンを把握する
心拍ゾーンとはトレーニングの難易度をチェックする方法です。
心拍ゾーンには、最大心拍数をベースにしたトレーニングの強度に基づいて、5つのゾーンに分けて考えます。
※最大心拍数は、一般的に「220-年齢」という式で求めることができます。ただし、これはあくまで平均値であり、個人差が大きいことに注意が必要です。普段のサイクリングにおいて全力でもがいた際の心拍が計算式より大きく異なればその数値をベースに考えてください。
ゾーン | 運動強度 | 最大心拍数の割合 |
ゾーン 1 | とても軽い | 50–60% |
ゾーン 2 | 軽い | 60–70% |
ゾーン 3 | 中 | 70–80% |
ゾーン 4 | 強い | 80–90% |
ゾーン 5 | 最大 | 90–100% |
ゾーン1 最大心拍数に対し50~60%
強度の目安:心身ともにリラックスしたペースであり走行中でも会話に支障がないレベル
主な効果は有酸素性能力向上の初期レベルのトレーニング、ストレスの軽減に効果があります。
※有酸素性能力とは、酸素を使ってエネルギーを生成する能力で、全身持久力の指標です。
ゾーン2 最大心拍数に対し60~70%
強度の目安:快適さを感じるペースであり少し呼吸が深くなるが会話は可能なレベル
主な効果は心肺機能向上のベーストレーニング、また脂肪燃焼に効果的であり高強度トレーニング後の休息に適しています。

ダイエットに推奨なのがゾーン2、例えば心拍数が最大200の人であれば120~140をキープしながら走ることでダイエット(脂肪燃焼)に適した運動になります。これより低ければ脂肪燃焼になりにくく、逆に高すぎたら筋力向上や心肺能力向上に繋がります。
ゾーン3 最大心拍数に対し70~80%
強度の目安:マラソンをするような標準のペースであり会話を続けるのが難しくなる強度
主な効果は心肺機能向上に最適なトレーニングであり持久力の向上に繋がります。
心肺機能を鍛えて、持久力が伸びるゾーン3はロングライドで長時間走り続けるためのトレーニングに最適。
ゾーン4 最大心拍数に対し80~90%
強度の目安:ややきついペースで呼吸が力強くなり会話することができないレベル。
主な効果は無酸素性作業閾値の向上とスピードの向上
※無酸素性作業閾値(AT:Anaerobic Threshold)とは、有酸素運動と無酸素運動の境となる運動強度やエネルギー量を指します。乳酸閾値とも呼ばれます。

この強度での走行はインターバルトレーニングや短時間高強度のトレーニングとなります。
有酸素運動で走れる限界を引き上げることでレースにおける長時間高速域での走行に耐えられる身体作りができます。
ゾーン5 最大心拍数に対し80~90%
強度の目安:全速力の速さで、長時間維持することはできないペースであり呼吸は相当きついレベル。
主な効果は瞬発力、筋持久力の向上。
この強度での走行はインターバルトレーニングや短時間高強度のトレーニングとなります。
レースでの走行におけるスプリント勝負や最高速度を向上させるのに必要な強度です。
ダイエットに必要な運動時間とは
上記の説明でゾーン2(最大心拍数の60~70%)で走ることがダイエットに最適な有酸素運動になることが分かりました。有酸素運動は脂肪をエネルギーとして消費するまで30分程度はかかるとされており、合計で1時間から1時間半程度の運動が必要です。
ダイエットに最適な季節は冬
冬は気温が低く、体温を維持するために代謝が上がるためより脂肪が燃焼しやすくなります。
寒くて食べすぎになりがちな冬こそ、しっかり運動することで効率よくダイエットができます。
以上、心拍数で判断する目的別トレーニングについてご紹介しました。
普段のサイクリングに心拍数を取り入れて目的に応じたトレーニングにしてみましょう!