こんにちは、スタッフの瀬谷です。前回の記事ではヒルクライムに向けたカスタマイズとして軽量化について書きました。今回は回転・摩擦抵抗に関する記事で私が実際に交換したパーツ、交換をお薦めするパーツに関してお伝えします。
これまでの記事はこちら↓
目次
ベースとなるバイク
私が今年の富士ヒルクライムで使うバイクは昨年のDomane SL Gen4ではなく、軽量レースモデルのTREK Emonda SLをベースにアップグレードした車体で出場します。
Emonda SLに関する記事はこちらをお読みください↓
トレックのエモンダ SLはプロが使用する800 Series OCLV CarbonのSLRグレードに対し、コストを抑えた500 Series OCLV Carbonを採用したセカンドグレードのモデルです。2024年ではシマノ105の機械式12速を採用したEmonda SL5が39万円台で購入することができます。私が乗っているのも2023年のSL5がベースです。
ヒルクライムで結果を出すためのカスタマイズ
ヒルクライムに向けたアップグレードは主に「軽量化」と「摩擦・回転抵抗の減少」の2点で性能を引き上げることができます。今回の記事では軽量化についてお伝えします。
摩擦・回転抵抗の減少
ロードバイクにはあらゆる箇所にベアリングがあり、それぞれ回転において摩擦・回転抵抗があります。
例えばペダルはケイデンスで言えば1分間に80ケイデンスとして、1時間で4800回転、半日(12時間)走れば57600回転していることになります。それだけ回転するペダルのベアリングが渋くて重い人とクルクル回る軽い人で比較したら、軽い人がどれだけ力をかけずに回せているか分かりますよね。
これは同様にクランクの軸を支えるボトムブラケットのベアリングにも同じことが言えます。
またホイールのハブに使われているベアリングやチェーンの回転を支えているプーリーベアリングはさらに多くの回転をしているパーツにです。
それらのベアリングの回転が滑らかであればあるほど、ライダー側はより少ない力で走ることができます。
そして今回私が富士ヒルクライムに向けて摩擦抵抗減のために導入したパーツがこちらです↓
KMC DLC11 チェーン
今回私が導入したパーツは「チェーン」になります。
「KMC DLC11 チェーン」は1コマ1コマが回転しており、チェーンリング・スプロケット・プーリーに嚙み合うたびに抵抗が発生しています。KMCのDLCチェーンはDiamond-Like Coatingが施されており、高い表面硬度と優れた耐腐食性により非常に優れた耐久性を実現し、一般的なチェーンと比較して明らかに摩擦抵抗が少なく、ペダリングはより軽く楽になります。
加えてKMCのDLCチェーンはプレートの面取り加工技術に優れており、滑らかな変速性能をもっています。
ヒルクライムでは勾配の変化に合わせて小まめに変速を行うので、スムーズな変速でトルクの伝達ロスを減らすことができます。
お値段は2万円以上と高くはありますが、寿命も一般的なチェーンと比較して長いため投資する価値はあります。
またカラーラインナップも複数あるため、ファッションとしてもお薦めです。
以下のカスタマイズは回転・摩擦抵抗を減らすのにお薦めなパーツ紹介です。
回転・摩擦抵抗を減らすのにお薦めなパーツ
ボトムブラケット
一般的なスチールベアリングからセラミックベアリング製に変更するのがお薦め
価格目安:3~5万円
ビッグプーリー
プーリーの大径化によりチェーンのカーブが浅くなり、チェーンの抵抗減やプーリーベアリングの回転数が減ることでベアリング抵抗が減ります
価格目安:4~8万円
ペダル
上位のペダルはベアリング性能が良く、回転が滑らかです。また軽量化効果も見込めます。
合わせてシューズも上位モデルに変更すると、ペダリングにおけるロスを減らし、シューズ自体の軽量化もできます。
ハブベアリング
シールドベアリングを採用しているホイールを長年メンテナンスをせずに使用しているならば、セラミックベアリングや新品のベアリングに打ち換えることで回転性能を上げられます。
価格目安:数万~10万円程度
BIKE WASH(バイクウォッシュ)
せっかく良いパーツを導入していても汚れによって動きが悪くなっていては効果が発揮できません。
カスタマイズではありませんが、レース前にバイクを洗浄することで砂や油汚れを取り除き、適切な注油・グリスアップをすることも抵抗を減らすことができます。
また洗車にあわせて点検をすることで事前に異常箇所を発見することもできるので、本番当日に起こるトラブルを事前に回避することができます。
レース前には是非ご利用ください。
次回は
次回の【スタッフ瀬谷の雑記】富士ヒルでブロンズが獲りたい!はヒルクライムで結果を出すために今や必須となりつつあるパワーメーターとその活用方法について書きたいと思います。
楽しみにお待ちください。
結果報告
この記事を書いたのは…
STAR☆BIKES 瀬谷祐介(メカニック/ライドイベントアテンドスタッフ)
自転車業界に勤めて7年目、普段はロードバイクでのロングライドや県内の未走行のコースを探索し、STAR☆BIKESのコース紹介記事も書いている。ヒルクライムが好きでMt.富士ヒルクライムにも毎年出ているが、登りはけっして速くない。夏場にはMTBでふじてんに行きパークライドも楽しむ。
これまで50台近いバイクに乗り換えており、バイクの特徴を掴んでお客様の希望に合わせた1台を提案することに長けている。