
最近のロードバイクはどのメーカーも格好良いデザインをしていますよね。
ただその格好良さはバイクのどこから感じるのか…それはフレームからハンドルにかけてケーブルを隠したステム周りの一体型デザインが大きく貢献していると考えます。
今回の記事ではTREKの人気アルミロードバイク「Emonda ALR」「Domane AL」や一部モデルにおいてヘッドまわりのケーブルを内装仕様に変えることができる「RCS Pro Blendrステム」を使ったお薦めカスタムをご紹介します。
目次
TREK RCS Pro Blendrステム

トレックRCS Pro Blendrステム
¥17,900-
RCS Pro Blendr Stemはスマートな形状のアルミステム。あらゆる性能に加え、美しい外観も兼ね備えている。ヘッドセットのトップキャップと隙間のない究極のインテグレーションを実現。トップキャップがすっきりと収まり、裏側にケーブル用カバーを備え、アクセサリーを美しく一体化できるBlendrに適合する。
ヘッド回りのケーブル内装と外装について

汎用ステムを使用

ケーブル内装タイプ(参考 2024 Emonda SL 6)
RCS Pro ステムを使用
ヘッド回りのケーブル外装タイプはディスクブレーキがロードバイクに普及する以前のリムブレーキ時代から使われてきた仕様です。フレームのダウンチューブやヘッドチューブがらケーブルが飛び出しハンドルにかけて繋がる仕様です。
一方、ディスクブレーキが普及しブレーキホースがきついカーブでも動作に問題がなかったり、無線の電動コンポーネントが広まったことにより、ヘッド内部をケーブルが通りステム内部もしくはステムに沿う形でハンドルに通す仕様がケーブル内装タイプです。



TREK RCS Pro ステムはケーブルがステム内部を通っているのではなく、ステム下部に沿うようにケーブルが通り専用のカバーを付けることで外部から見えなくなる半内装ステムです。例えばDEDAのVINCIステムのように完全内装であればステムを交換する際にはその都度ケーブルをカットし交換するため部品代や工賃がかかりますが、半内装であればそのままステム交換が可能であり、分解やメンテナンスがし易くなるメリットがあります。
RCS Pro Blendrステム対応モデルについて

RCS Pro Blendrステムはヘッド周りのケーブル内装に対応したフレームに取付可能で2025年現在、TREKの現行ロードバイクであれば全て取り付け可能です。


ただし、完成車の初期仕様において汎用ステムやステム一体型ハンドルを採用しているモデルにおいては専用のヘッドパーツに交換することで取付可能となります。(上記”TREKロードコックピット適合表”参照)
以下ではTREKの人気アルミロードである現行の「Emonda ALR」「Domane AL」の2車種についてご紹介します。
この2車種はフレームがケーブルフル内装構造に対応していますが、完成車の仕様では汎用ステムを採用しているため、ヘッド上部よりケーブルが飛び出しています。実際にヘッドまわりを確認してみましょう。
Emonda ALRのヘッドまわり



TREKの第3世代であり現行のEmonda ALRはケーブルがヘッド上部から飛び出す形で組まれています。

第2世代のEmonda ALRはケーブルがダウンチューブより飛び出しており、ハンドル周りにケーブルが左右に膨らむ形で見えていました。これと比較すると現行のデザインはこのままでもスマートになったと言えるでしょう。
Domane AL Gen 4のヘッドまわり


第4世代となったTREKのエンデュランスロードDomane ALもEmonda ALRと同様、ケーブルがヘッド上部から飛び出しています。
よりスマートな見た目に



TREKの2024年以降カーボンフレームの一部モデルはTREK RCS Pro Blendrステムを用いたステム一体型デザインを採用し、ケーブルがステム先端まで隠れたよりスマートな見た目の仕様で販売されています。

現行のEmonda ALRとDomane ALはこのTREK RCS Pro Blendrステムを用いることで、上位のカーボンモデルと同じようにケーブルがステム先端まで隠れた見た目に変更することができます。

この一体型ステムとの組み合わせ方法はメーカーのサービスマニュアルにも掲載があります。



例えばEmonda ALRにRCS Pro Blendrステムを導入するには追加で必要な部品として、Trek Domane MKIV Headset Split Ring(\4,000-)、Trek E3 Headset Top Cover for Integrated Stem(¥1,000-)、コラムスペーサーとしてTrek Road Integrated Stem Spacers(¥800-、サイズ:5mm/15mm)が必要です。
これらの組付け作業は一度シフト/ブレーキケーブルを取り外し繋ぎ直す必要があるため、お店で依頼することをお薦めします。またブレーキホース長やシフトケーブル長が足りない場合には、それらの交換に伴い大掛かりな作業になります。作業依頼はご納車における当店のパーフェクト組立ご依頼時やオーバーホール時がお薦めです。
ステムを交換するなら併せてコンポーネントもアップグレードがお薦め

汎用ステムからRCS Pro Blendrステムへ変更する際には、場合によってブレーキホースやケーブル交換となるため大掛かりな作業となります。せっかくならこのタイミングでコンポーネントのアップグレードをしてみてはいかがでしょうか?
上記記事では当店スタッフがEmonda ALRをフレームセットから組み上げる際にSRAM AXS電動コンポーネントを用いて組んだ記事になります。
またシマノのDi2電動コンポーネントは105~Dura-Aceまで価格・用途に応じて選びやすくお薦めです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。


是非、今お乗りのEmonda ALRやDomane ALをケーブルがより隠れた美しい見た目の一体型ステム仕様に変更してみませんか?
作業に伴う部品・工賃のお見積りは店頭までお問い合わせください。
この記事を書いたのは…

STAR☆BIKES 瀬谷祐介(メカニック/ライドイベントアテンドスタッフ)
自転車業界に勤めて7年目、普段はロードバイクでのロングライドや県内の未走行のコースを探索し、STAR☆BIKESのコース紹介記事も書いている。ヒルクライムが好きでMt.富士ヒルクライムにも毎年出ているが、登りはけっして速くない。夏場にはMTBでふじてんに行きパークライドも楽しむ。
これまで50台近いバイクに乗り換えており、バイクの特徴を掴んでお客様の希望に合わせた1台を提案することに長けている。