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【自転車Q&A】ビンディングシステムの役割

ビンディングは一般的なフラットペダルと異なり、専用のシューズと組み合わせることでペダルとシューズを固定するシステムの事です。


主にロードバイクやスポーツバイクに乗る方にとって、ペダリング時に常に同じ位置でペダルを踏み、また引き上げられるのでより効率的にペダルを回すことができます。ビンディングを使用すれば自転車に乗る上で適切な筋肉を使って漕げるので、長時間のサイクリングやヒルクライムをより楽にしてくれます。

ビンディングの種類

国内で圧倒的に使用率の高いシマノ、それ以外にも有名なブランドを抜粋してご紹介します。

SPD-SL(シマノ)

SPD-SLとはシマノ ペダリング ダイナミクス SLの略で、日本のシマノが設計したロードバイク向けビンディングシステムになります。幅広のプラットフォームによりシューズとの接地面積も広く、より効率的に踏んだ力をぺダルに伝えることができます。シューズ側に樹脂製のクリートを取り付けてペダルと固定するシステムになります。

SPD(シマノ)

SPD(シマノ ペダリング ダイナミクス)は、MTBライドのニーズに応えるよう設計されており、走行時と歩行時のいずれにも対応するシステムです。SPD-SLの片面ビンディングと異なり、両面ビンディングや片面ビンディング/片面フラットと複数の形状があります。
シューズとの接地面がSPD-SLと比較し狭くパワーの伝達効率は落ちますが、街中を気軽に歩ける仕様であるためMTBだけでなくツーリング目的でのロードバイクにも最適です。
シューズ側に金属製のクリートを取り付けてペダルと固定するシステムになります。

SPEEDPLAY(wahoo)

Wahoo SPEEDPLAYは、ロードバイク向けに設計された両面ビンディングシステムのペダルです。
シマノと異なりシューズ側に取り付けたクリートに調整機能を設けており、ソールとペダル軸の間隔(スタックハイト)を極限まで薄くし、効率的にパワーを伝達することに優れています。

TIME

TIMEは1987年にフランスのヌヴェールで設立され「身体を機材に合わせるのではなく、機材を身体に合わせる」ことを信念に35年以上にわたり製品開発に取り組んできました。
他社と大きく異なるのがペダルの「フローティング機能」になります。
シューズの角度と左右位置に自由度を確保し、シューズがペダル上の一点に固定されることなくまるで浮いているかのように自由に動く「フローティング機能」はペダリング時の関節の動きを妨げず、常にペダルの中心にシューズを戻す力が働くことで足首や膝の故障を減らし、より安定した力の伝達が可能になります。

シューズの種類

ロード向けビンディングシューズ(3つ穴タイプ)

主にシマノSPD-SLやロード向けペダルに対応したビンディングシューズの特徴はソールに3つのボルト穴があります。
また特徴としてペダルへのパワー伝達を高めるため、ソールは剛性が高くしなりにくく造られています。
ソールは平らでしなりにくく歩くことには不向きですが、最も効率よくペダルに力を伝えることができシューズは軽量さに優れています。

MTB向けビンディングシューズ(2つ穴タイプ)

主にシマノSPDやMTB向けペダルに対応したビンディングシューズの特徴は普通の靴と同じようにソールが凸凹しグリップ力のある形状になっており、左右の2本のボルト穴を使って金属製のクリートを埋め込む仕組みになっています。
ソールの剛性は競技志向のものであれば硬く、ツーリング仕様のものでは歩きやすくするために柔らかく造られています。

ビンディング導入のタイミング

ビンディングを始めるタイミングはスポーツバイクに乗り始めて早ければ早いほど良いです。
フラットペダルからビンディングペダルに変わることで、これまで「踏むペダリング」だった漕ぎ方が高ケイデンスを意識した「回すペダリング」へ変わるため、持久力に優れた遅筋を効果的に鍛えていくことができます。
ただし、初めてロードバイクに乗る方は慣れないハンドル形状でふらつきやすいため、低速域でもバランスをとれるようになってからビンディングに切り替えていくことをお薦めします。

シューズの選び方

ビンディングシューズは様々なメーカーから発売されており、主にサイズがEU表記が書かれています。
このEUサイズに対し日本のcmが各メーカー毎に異なる(例えばTREKのEU41サイズは26.3cmですが、シマノのEU41サイズは25.8cm)ので、気になるメーカーのシューズは実際に履いて確認した上で購入することをお薦めします。

ビンディングシューズは一般的なランニングシューズの選び方と異なり、自身の脚にピッタリ合うサイズで選ばなければいけません。ランニングシューズならワンサイズ大きくても履けますが、ビンディングシューズで大きいサイズを履くとシューズ内で脚の位置がずれ痛みを伴うことがあります。

また日本人は欧米やヨーロッパの方と比較して、横幅が広い傾向にあります。
ランニングシューズであれば2E,3Eと選択肢が多いですが、ビンディングシューズはメーカーによりワイドサイズが出ていないことも多いです。ノーマルサイズで履けるのか、ワイドサイズでなければ履けないのかは実際に履いてみないと分からないため、初めて履くブランドのシューズであれば事前に試着した上で購入することをお薦めしています。

ビンディングのメリット

サドルとペダルの位置関係の固定化

ロードバイクに乗る上で、その人にとって常に適切なポジションで自転車を漕げることは重要なポイントです。
ビンディングシューズに変えるとペダルの踏み位置は固定され、同じシューズを使うことでソールの厚みは変わらずサドルとペダルの位置関係を固定できます。逆を言えば、フラットペダルで走るたびに違うシューズを履いていればソールの厚みや踏み位置は異なり、サドルの高さとペダルの位置関係は常にちぐはぐな状態で同じペダリングはできません。

高ケイデンスの安定化

ケイデンスとは1分間に足を何回回しているかを表す回転数のことです。
一般的にロードバイクで長時間効率よく走るには80~100ケイデンスが推奨されます。
このケイデンスを維持するにはフラットペダルの場合、踏む動作のみのためケイデンスが高くなるにつれて乱れやすくなります。
ビンディングであれば踏む動作と引き上げる動作を行うことで、高ケイデンスでも安定してペダリングできるようになります。
また平坦だけでなく登り坂でも軽いギアで高ケイデンスが維持しやすくなり、筋肉に大きな負荷をかけずに長時間のサイクリングを楽しむことができます。

ビンディングを始める際は、まずロード向け・MTB向けどちらのペダルがご自身の乗り方に合っているのか?検討しているシューズが自身の足に合っているのか?お近くのお店で相談した上でご購入することをお薦めします。

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この記事を書いた人

スターバイクス代表