こんにちは、スタッフの三浦です。
ツール・ド・フランスのこの時期に、続々とメーカーから新型ロードバイクが発表されていく中、2024年6月28日(金)午前1時にTREKから発表された新型 TREK Madone Gen8の試乗車に早速乗ってきましたので、インプレッションしていきたいと思います。
目次
ファーストインプレッション
まず、メーカーから届いた段ボールからフレーム取り出した時の第一印象は、Madoneはエアロロードなのにダウンチューブなど全体がシャープになり、しかしMadone Gen7の時に誕生したIsoFlowテクノロジーがあり、改めてEmondaとMadoneが融合したんだと感じました。軽くなっているのは見ただけでも分かりますが、本当にエアロ効果がMadone Gen7と同等なのかと思ったのが、正直な感想でした。
メカニック視点の新型Madone Gen8
今回、SLグレードには機械式コンポーネントが採用されたモデルが用意されており、カーボンロードバイク、さらにはエアロロードバイクとしてお求めやすい価格帯となったことで選択肢が増えたことが嬉しいところです。
試乗車の新型Madone SL5 Gen8組み立てながら感じたことは、新しいブラッダーによるフレーム成型方法によりフレーム内部まで綺麗に作られていた事に感動しました。本当にきれいな仕上がりです。
このブラッター成型方法により、より軽量化ができたのだと思います。組み立て作業は今までのEmonda SLと似ていて、ほぼワイヤー類は内装されているところから、スッキリとした見た目とエアロ効果が期待できました。ただ、乗った時のMadone Gen7とEmondaからどう変わったのか気になりながら組み立てました。
新型Madone Gen8 試乗インプレッション
今回、代表の内田とスタッフ三浦、スタッフ瀬谷が試乗しましたので、インプレッションしていきたいと思います。
まず始めに各自の簡単な紹介を致します。
代表 内田
こんにちは。
普段はMadone GEN7(52サイズ)をメインにしていますが、機材テスト用の車体としてはEmonda ALR(52サイズ)に乗っています。
エンデューロやヒルクライムが得意ですが、クリテリウムへの参戦経験も多くあります。
ホビーレースでは何度か優勝・入賞経験があります。
最近はレース参戦していませんが、営業終了後に50km程度のナイトライドをスタッフやお客様と楽しんでいます。
スタッフ 三浦
普段はSTAR☆BIKESのメカニックと週末ツーリングのアテンドをしています。
愛車はEmonda SLRのアルテグラとデュラエースのミックスコンポーネントを使用しています。
よく参加しているレースはクリテリウムですが、エンデューロやヒルクライムにも参加する事もあります。
クリテリウムレースには、50戦以上の出場経験があり、入賞経験もあります。
スタッフ 瀬谷
日頃はEmonda SL,Domane SL Gen4に乗っています。
ヒルクライムが好きで2024年の富士ヒルクライムでは3度目の参加でようやくブロンズを達成しました。
またブルベの参加経験もあり、普段のライドでは速く走るよりも長く快適に走ることを重視しています。
代表 内田 インプレッション
私の身長は172㎝で普段は52サイズを選択しますが、今回はMサイズを選びました。ホイールは頻繁に使用する試乗ホイール「Bontrager AEOLUS PRO51」に換装。
世界最高峰のエアロロード「Madone」の整流効果を落とすことなく大幅な軽量化に成功したとのことでしたが、整流効果を体感する前に感じたのはその乗り心地の良さです。いつもと同じアスファルトなのに漕ぎ出してすぐにそのシルキーな走行感に気が付きます。サドルへの突き上げの緩和にISOFLOWの効果が高いのは前作Madone GEN7の時に学びましたが、Madone GEN8はフロントホイールからの衝撃もとてもマイルドです。フレームだけでなくフォークの製法にも変更を加えてきたとのことなので、それがこの乗り心地に大きく寄与しているのだと思います。
そのあと速度を徐々に上げていくと、愛車のMadone GEN7同様にエアロ効果の恩恵を感じることができました。この軽さでこの空力性能を本当に備えていることに興奮しました。海岸線は風が少し吹いていましたが、上体を少し伏せると風の音が小さくなり江の島から鎌倉までの平坦路をとても気分良く走ることができました。あとからログを見直すと最近のデータより明らかに速い。
江の島-鎌倉間を走る中で稲村ケ崎を駆け上がることになるのですが、その際には登坂性能の高さを感じることができました。ただ「軽い」「硬い」ではないなにかがMadone GEN8にはあります。
鎌倉で折り返して店舗に向かう予定でしたが、急遽朝比奈峠を越えて横浜市側から店舗に戻るルートに変更しました。朝比奈峠では踏み心地を噛みしめながら一歩一歩登りました。クランクが水平から下死点へ向かうあたりで硬めのしなりを感じることができ、そこでもう一伸びする感覚があります。それはシッティングでもダンシングでも感じることができます。いつもと同じペダリング・出力のはずですが、ケイデンスが上がっていくので1-2段シフトアップできる。これはGEN7の時には感じることのできなかった感覚で、マドンが進化したことを感じることができました。
快適性、整流効果、登坂性能がかなり高い次元で両立しているバイクだと思います。
Madone GEN8に乗り換えてからのLidl-Trekの活躍にも頷けます。
是非試乗して感じていただきたいです。
スタッフ 三浦 インプレッション
今回、私が試乗したモデルは、Madone SL5 Gen8です。このモデルはコンポーネントがR7100の機械式105、12速になります。
試乗した感想を分かりやすく3つのポイントにまとめてみました。
まず1つ目は、エアロ効果についてです。普段乗っているEmonda SLRと比べて高速巡行での中で余裕がありましたので、しっかりとエアロ効果があると感じられました。ディープリムホイールや電動コンポーネントに変えて専用ハンドルを使う事によって、よりエアロ効果を受けれると思うとアップグレードするとどうなってしまうのか、想像しただけでワクワクします。
2つ目は、登りでの性能についてです。SLグレードでもSサイズのフレームとフォークで1330gと軽量になっていますので、Emondaと比べても遜色のない登板性能でした。ただMadone SL5 Gen8に付いてくるホイールとタイヤは、重いのでアップグレードしたAeolus RSL 37にすることによってヒルクライムバイクにもなりますし、Aeolus RLS 51を使う事によって平坦も速く走れるオールラウンドなロードバイクとなることが想像できました。
そして3つ目は、快適性についてです。新型Madone Gen8にもIsoFlowテクノロジーが採用されており、今回、試乗したMadone SL5 Gen8には、28cのタイヤが付いている事もあり乗り心地も良かったです。
新型Madone SLR Gen8は、さらに軽量になりIsoFlowの振動吸収性が上がるとの事でしたので、より速く、快適に乗ることができるとてもスペシャルなロードバイクとなっていることに。
スタッフ 瀬谷 インプレッション
リーチ378mm スタック521mm
80mmステムを使用
リーチ368mm スタック546mm
80mmステムを使用
私が今回インプレッションするのは当店の試乗車であるMadone SL5 Gen8のSサイズになります。
比較車体はEmonda SLとDomane SLの2台になります。
・直進安定性と瞬発力について
私は日頃Domane SLを気に入って乗ることが多い理由の一つが「直進安定性」にあります。
Domaneの場合、ブラケットに手を添える程度に軽く掴んでいても安定して真っすぐ走り続けてくれるので上半身をリラックスさせながらライドを楽しめます。
逆にEmondaに関してはハンドリングが若干クイックなこともあり、瞬発力に優れている反面リラックスはしにくく集中してバイクをコントロールする必要がありました。
新型MadoneはDomaneとEmondaの良いとこどりが出来ています。
ヘッドアングルはEmondaとMadoneはほぼ同じ角度でありながら、Emondaで感じたクイック感はMadoneにはありません。ハンドルを左右に振っても滑らかにカーブを描くので非常にコントロールがしやすいバイクだと感じました。
またDomaneほどではないにしろ直進安定性も良く、レースバイクとしてバランスの良さが際立っています。
これなら峠の下りでは速度を極端に落とさなくとも安心して下っていけますね。
踏み込んだ瞬間の加速の良さはEmondaに近く、あまり軽量なホイールを入れるとスプリント時に振りが軽くなりすぎるので50mmハイト台のホイールを組み合わせると相性が良さそうです。
フレーム重量はEmonda SLからMadone SLに変えると200g以上の軽量化となります。
その上で直進安定性やコントロールのし易さが良くなっているので、これまでEmonda SLに乗られていた方の次のバイクとしてMadoneは自信をもってお薦めできます。
・快適性について
今回のMadoneにおいて私を最も驚愕させたのはシートポストまわりの衝撃吸収性能の高さになります。
臀部にくる衝撃は通常シートポストが大きくしなることによって衝撃を吸収し和らげてくれます。
Domane SLはIsoSpeedと呼ばれる特殊な構造によりシートポストを大きくしならせ衝撃を吸収することに特化しています。
しかし、今回のMadoneはそのIsoSpeedがなくIsoFlowと呼ばれる特徴的な構造により、段差や地面の凸凹を踏んだ際にシートポストを大きくしならせ衝撃を吸収してくれます。
このシートポストのしなりは私の感覚ではDomane SL以上に大きく、衝撃吸収能力は大変優れています。
実際に試乗している間にあえて路面が荒れている箇所を走っても臀部には突き上げるような衝撃は一度も来ず、柔らかな振動のみが伝わってきました。
Domaneの特徴である臀部への振動吸収性能を上回っていくMadoneの乗り心地の良さは、Domane SLを愛用している私にとってかなりの衝撃があり、重量面で秀でたMadoneへの乗換えを強く検討させるものでした。
結論として、直進安定性・コントロールのしやすさ・快適性におけるトータル面で非常に優れた新型Madoneは今後TREKの車体を購入するにあたり選べば絶対に間違うことのない1台と言えます。
是非、この記事を読まれた皆様も当店にある試乗車に乗ってその驚きのフィーリングを体感してみてください!
この記事を書いたのは…
代表 内田
スタッフ 三浦
スタッフ 瀬谷