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【スタッフ瀬谷の雑記⑩】富士ヒルでブロンズが獲りたい!FTPの把握とトレーニングによる向上を目指そう【パワーメーター編】

こんにちは、スタッフの瀬谷です。前回の記事ではヒルクライムに向けたカスタマイズとして摩擦抵抗を減らすパーツについて書きました。今回はヒルクライムで結果を出すためには今や必須ともいえるパワーメーターと目標タイムを達成するための活用方法について書きます。

パワーメーターとは

パワーメーターは、自転車を漕ぐ際にペダルにかかる力(ペダルを回した時の力)を計測するアイテムです。
主な機能として以下の点が挙げられます:

パワー表示: ワット(W)でペダリングの力を表示します。
ペダリングの方向: 力がどの方向にかかっているかを測定します。
効率測定: ペダルに力が伝わっているかどうかを評価します。
記録と分析: パソコンやスマートフォンでデータを確認し、自身のパフォーマンスを可視化できます。
パワーメーターを導入することで、ライド中の「ペース配分」や、力を数値で可視化できるため「効率的なトレーニング」を行えます。特にFTP(Function Threshold Power)と呼ばれる、一時間全力でペダルを漕ぎ続けることができる出力のことは、トレーニングの重要な指標と言えます。

特にヒルクライムレースでは目標タイム(富士ヒルのブロンズでいえば1時間30分切り)に対して、「自分のFTPが幾つなのか」「目標タイムに対してFTPの何%で走れば達成できるのか」を把握するためにもパワーメーターが必要です。

パワーメーターの種類

クランク型

クランクアームに取り付けたセンサーで計測するタイプです。
左右両側で測定するものと、片側(通常は左側)で測定するものがあります。

(一例)

DURA-ACE デュアルサイドパワーメーター

シマノのオリジナルパワーメーター。左右両側計測でBluetooth®LEとANT+に対応。SHIMANO CONNECT Labを使用することで、トレーニング/パワーデータの解析および可視化が可能。

チェーンリング付クランクセットで186,450円(24年3月時点)、チェーンリング無クランクセットで165,990円(24年3月時点)

Magene PES-P505 スパイダー型パワーメーター

日本では代理店のグロータックが取り扱う中国のMageneから発売されている両側計測可能なパワーメーター。
110BCDのSHIMANO製4アームチェーンリングと互換している。
フレームとの相性があるため、購入前に要チェック

チェーンリング無で43,560円(24年3月時点)

ペダル型

ペダルに取り付けるタイプのパワーメーターです。片側のペダルのみで計測できるものもあります。

(一例)

GARMIN Rally RS200 デュアルセンサー ペダル型パワーメーター

サイクルコンピュータやGPS機器で有名なGARMINが開発したペダル型パワーメーター。同社のサイクルコンピュータと併せて使用することで、ペダルの踏み位置やペダルストローク上の出力範囲などクランク型では計測できないデータを見ることができる。

両側計測で176,000円、片側計測で105,000円(24年3月時点)

購入したパワーメーター

私が購入したパワーメーターはペダル型でGARMINのRally RS200になります。RallyはクリートがLOOKとシマノのどちらかに対応しているのですが、私のはシマノ対応になります。(RS:シマノクリート、RK:LOOK KEO)

ペダル型は比較的値段が高い傾向にありますが、メリットとして複数台バイク所持している際にすぐに付け替えができたり、GARMIN EDGE サイクルコンピュータを使用していると通常のパワーメーターでは分析できないデータまで計測することができます。

Rally XC コンバージョンキット

個人的にはShimano SPDタイプに変更できるコンバージョンキットがあることも購入理由の一つです。
レースのときだけSPD-SLで普段はロードバイクでもSPDを使っており、ブルベの長距離ライドで出力を見ながら自身をコントロールしたり、今後はMTBのSDA王滝レースにも出る事を考えたらペダル型が一番活用できると考えました。

何ができるのか?

パワーの計測

パワーメーターを所持していると、ライダーがペダルを回した際の出力を計測することができます。
両側パワーメーターであれば、左右それぞれの出力の合計でパワーが表示され、片側パワーメーターであれば、片側で計測した出力の2倍を両側の出力と想定して表示されます。
たいていの方は左右の足がそれぞれまったく同じ力で踏めることはなく、GARMINのパワーバランスでいえば左48%-右52%というようにわずかにずれるので、正確にパワーを知りたいなら片側よりも両側の方が良いですね。

FTP(Functional Threshold Power)の把握

FTPとは1時間ギリギリで出力し続けることができるパワーのことで、その人の実力を指し示す値の一つになります。
FTPが分かると例えばヒルクライムでの目標を達成するのに、今自身の力が足りているのかどうか判断できたり、目標タイムに合わせたパワーコントロールをして、最初調子よくて踏みすぎたために後半バテバテで失速するというようなミスをなくすことができます。

FTPの計測にはパワーメーターだけでなく、パワー計測のできるスマートトレーナー等を使用してFTPテストを行って計測します。
FTPテストは信号や障害物のない環境下で一定時間全力で踏める場所を確保する必要があるため、外で計測するよりも屋内のローラー台を使った計測の方が安全に取り組めます。
最近ではZWIFTのようなバーチャルライドアプリ上でFTPテストを行うことができ、指示に従って踏めばFTPが簡単に計測できるのでお薦めです。

PWR(パワーウエイトレシオ)の確認

PWR(パワーウエイトレシオ)とは体重1kgあたりで出せるパワーの割合のことです。
パワー÷体重で計算し、W/kgで表します。
パワーが同じでも体重が重い人と軽い人では実際の速度は大きく異なります。
例えばパワーが300wだとして…
・50㎏の人が出していればPWRは6.0W/kgで体重に対し6倍のパワーが出せている
・100㎏の人が出しているのではPWRは3.0W/kgで体重に対し3倍のパワーが出せている
となるので同じ300wであっても6倍のパワーが出せる50kgの人の方が体重に対して出せるパワーは優れています。
特に登り坂・ヒルクライムでは体重が速度に大きく影響するため、PWRが高い人ほど速く登れる傾向にあります。

よくパワーメーターを持っている人同士の会話で、お互いの走力を確認するためにパワーではなくPWRで答えているのは体重の違いのためです。「普段は○○倍で走っていますよ」というのもPWRのことを指しています。

両側パワーメーターによるサイクリングダイナミクスの計測

両側パワーメーターであれば、左右別々に出力を計測しているため、より精度の高いデータを得られます。
例えば…
「パワーバランス」
踏んだ際の出力をパーセント表記で表し、左右それぞれの割合を計測してペダリング時の左右の不均等さを修正するのに役立ちます。
「パワーフェーズ」(ペダル型パワーメーター専用)
ペダル型パワーメーターを使用した際に記録される、サイクリングダイナミクスの数値です。
サイクリストがペダルストロークのどの角度でパワーを生み出し始め、どの角度で終了するかを左右別に表したものです。
「プラットフォームセンターオフセット(PCO)」(ペダル型パワーメーター専用)
ペダルのセンターに対して、トルクを掛ける位置がどれくらいずれているかというデータです。
PCOを確認し、左右のクリート位置を調整することでよりダイレクトにペダルに踏んだ力を加えることができます。

富士ヒルブロンズに向けて

最近のトレーニング方法は主にZWIFTが中心です。
これまではパワーメーターは持っておらず、スマートトレーナーによるパワー計測のみでFTPを計測したり、VO2MAX(最大酸素摂取量)やFTPの向上を目的としたトレーニングを行っていました。
ですが、これだけだとZWIFTのバーチャル上では上手くトレーニングが出来ていても外で実走によるヒルクライムではパワーが分からないため、自身をコントロールできず目標達成できない可能性がありました。
しかし、GARMINのRally RS200を手に入れたことで普段バーチャルで行っていたパワーコントロールを実走でも行うことができ、安心して本番に挑めるようになりました。
ちなみに昨年はパワーメーターを持っておらず心拍に応じた速度調整を行ったところ、ゴールタイムは一昨年よりも遅く苦い経験をしました。

富士ヒルのブロンズは距離24km、標高差1,255m、平均勾配5.2%を1時間30分以内にゴールする必要があり、平均時速で言えば16㎞/時で走らなくてはなりません。
多くのサイトで載っていますがPWRは3.2W/kgが目安となります。

この3.2W/kgというのはFTPではなく、ブロンズの1時間30分維持する際のPWRのことなので、FTPだとさらに高い数値が出せるようにならなくてはいけません。

ちなみに現在の体重は67㎏を境に増えたり減ったりを繰り返しています。
なんと1月の体重が71kgだった事に対して、2か月半でおよそ4㎏の減量に成功しました。

ダイエットに関しては以下の記事もご覧ください↓

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FTPは画像では212wですが先日214wになりました。
1月中旬の頃はFTPはまだ180wしかなく、週4ペース(1日のトレーニングは1~2時間程度)でトレーニングに取り組んでここまで上がりました。

そしてFTPが214wに体重が67kgだとPWRは3.19w/kgになります。
つまり今現在では仮にFTPで1時間30分走り続けてもわずかにブロンズに届かないことになります。

3.2W/kg出すには67㎏なら214.4w必要になります。
さらにFTPの1時間に加えてもう30分走り続ける必要があるので、
FTPを意識するなら214wに追加で10%としてFTP235wを目標とします。

これはあくまで体重が67kgでの想定のため、残り2か月半でさらに体重が絞れればもう少し低いFTPでもブロンズは達成できそうです。

引き続き頑張っていきます!

ここまでパワーメーターに関する基礎知識と自身のパワーに関するステータスの把握について書きましたが、これらは全てパワーメーターやスマートトレーナー無しでは一切分からなかった情報です。

それだけヒルクライムレースや目標タイムのあるレースではパワー計測が重要なデータであり、パワーに関する情報なしでは目標を達成することは困難になります。

この記事を読んで、この先のヒルクライムに向けてパワーメーターに興味が出たという方は是非瀬谷までご相談ください。

この記事を書いたのは…

STAR☆BIKES 瀬谷祐介(メカニック/ライドイベントアテンドスタッフ)

自転車業界に勤めて7年目、普段はロードバイクでのロングライドや県内の未走行のコースを探索し、STAR☆BIKESのコース紹介記事も書いている。ヒルクライムが好きでMt.富士ヒルクライムにも毎年出ているが、登りはけっして速くない。夏場にはMTBでふじてんに行きパークライドも楽しむ。
これまで50台近いバイクに乗り換えており、バイクの特徴を掴んでお客様の希望に合わせた1台を提案することに長けている。

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この記事を書いた人

スターバイクス代表