こんにちは、スタッフの瀬谷です。先週とうとう大磯クリテリウムに初参戦してきました。
参戦前にはバイクのパーツ構成をよりクリテリウムに合わせた仕様にしようとクランク長を変更し、
その際、思い切ってチェーンリングもこれまで使ったことがない大きな54/40Tに変えてみました。
11速時代はこんな大きな歯数はとてもじゃないが使えませんでした。しかし12速が当たり前となった今、意外なことに重いギアから軽いギアまで幅広くカバーできてしまうのです。
それは何故かというのをご紹介したいと思います。
大磯に向けたクランク変更
私のMadone SLR7は完成車のパーツ構成となっているため、SサイズだとFC-R8100に165mmのクランクアーム長が付いてきます。
そして普段乗ることも多いDomane SLには167.5㎜長のクランクを使用しています。
私の身長(163cm)だけで判断すれば長いかと思われますが、私の場合だと短時間高出力でのスプリントは165㎜よりも167.5mmの方が高い出力が出せます。
また先月、165mmの状態でスプリントを行ったところ、後半にかけてケイデンスが高すぎてしまったため、やはりクランク長を伸ばしてもう少し低ケイデンスでトルクをかけたいと考えました。
ただし、何でもかんでも167.5mmのクランク長が良いかというと、ロングライドやヒルクライムを中心とした高ケイデンスが求められる走り方では165mmの方が負担も少ないので脚に優しく効率的に回すことができます。
ちなみにですが、167.5㎜長はシマノにおいて最上級グレードのDURA-ACEにしかラインナップされていません。
そのため、167.5mmが使いたいと考えたらDURA-ACEもしくはシマノではないメーカーから選ぶことしか出来ません。
選んだ歯数はフロント54/40Tのリア11-34T
クランク長が決まっていざクランクセットを用意するとなったら、歯数の組み合わせを決めなくてはいけません。
Madoneに付いていた歯数の組み合わせはフロント52/36Tリア11-30Tの仕様でした。
クリテリウムに出てスプリント勝負をするなら今の自分の実力であれば充分だと思いましたが、せっかくDURA-ACEのクランクセットで用意するならばDURA-ACEでしか用意されていない54/40Tを使ってみたいと考えました。
しかし、これまでの私であればヒルクライムならば50/34Tが当たり前でしたし、先日の箱根ヒルクライムではきつい勾配の中、52/36Tと11-30Tの組み合わせでケイデンスが上がらず辛い目にあいました。
そうなると54/40Tを導入すると普段のサイクリングで使いにくいのでは…と思いますが、ある部分を同時に変更すれば54/40Tでも以前より楽になるのでは?と思いつきました。
そのパーツは…
カセットスプロケットです。
11速時代であれば11-30Tや11-32Tが多かったものの、今や12速がスタンダードになり多くの完成車には11-34Tが付いてきます。私も今の11-30Tから34Tに変更すれば54/40Tでも様々な場面でクリアできると考えました。
実際にギア比を比べてみましょう。
上の表はフロントのチェーンリングが1回転した際にリアホイールが何回転するかをまとめたギア比の表です。
そして上の段が元々のMadoneの仕様で下の段が今回変更した歯数の組み合わせです。
赤色の数字がそれぞれのギアで最も軽い組み合わせにした時のギア比で54/40Tを使用したときの方が数字は小さくなっています。つまりリアに11-34Tを入れてしまえば54/40Tを使用してもきつい登り坂で今までよりも少し楽になることが分かりました。
加えて当然ですが一番重いギアの組み合わせでは54/40Tの方がパワーさえあればケイデンスは抑えて速く走ることができます。
当時で言えば53/39Tと11速の時代には思いもしなかった大きなチェーンリングの組み合わせがホビーライダーでも使えるようになった12速時代は凄いと考えさせられますね。
用意したパーツはこれだ
今回用意したのは
・クランクセット FC-R9200 167.5mm 54/40T
・カセットスプロケット CS-R7101 11-34T
・チェーン CN-M9100
になります。
クランクとチェーンはDURA-ACEになりますが、カセットスプロケットのみ予算の都合で105グレードになりました。
DURA-ACEと105のカセットスプロケットの重量差は約110gありますが、今回は平坦コースのクリテリウムなので気にする必要はないかと。
ということで早速取り付けてみました。
おぉ、クランクがDURA-ACEに変わるだけでなんだか高級感が増しますね。
クランクだけで比較しても54/40Tは明らかに大きく存在感があります。
これで大磯クリテリウムに向けてバイクで出来ることは全てやりました。
あとは実走で慣らして自分の身体を鍛えるのみとなります。
この仕様で本番までに何か新しい発見があればまた記事にしたいと思います。
以上、今回はカセットスプロケットが11-30Tで使用している方であれば54/40Tが使えるちょっとした裏技的なお話でした。
この記事を書いたのは…
STAR☆BIKES 瀬谷祐介(メカニック/ライドイベントアテンドスタッフ)
自転車業界に勤めて8年目、普段はロードバイクでのロングライドや県内の未走行のコースを探索し、STAR☆BIKESのコース紹介記事も書いている。ヒルクライムが好きでMt.富士ヒルクライムにも毎年出ているが、登りはけっして速くない。
2024年の富士ヒルで念願の初ブロンズを達成。夏場はMTBでふじてんに行きパークライドも楽しむ。
これまで50台近いバイクに乗り換えており、バイクの特徴を掴んでお客様の希望に合わせた1台を提案することに長けている。